3月21日に、知久麻衣さんによるSEM@homeのワークショップを開催しました。
SEM自体は、日本で初お目見えではなく、30年ほど前から、関西大学の松村暢隆教授を中心に紹介されていたり、一部の学校での事例を見聞きしたりはしているのですが、一般的にはまだあまり広まってはいません。
開発されたレンズーリ教授は、「SEMー個性と才能をみつける総合学習モデル」の著書の中の日本語版への序文で、
「この本は、子ども一人ひとりが、学習者としても創造的な生産者としても、潜在能力を最大限に発揮することを重視するような教育方法について述べる。」
とおっしゃられており、SEMにおける「拡充」が、
「『誰が才能があるか』をみつけるのではなく、一人ひとりの優れた行動を伸ばす機会」
ともおっしゃられています。
この本は、2001年に翻訳され、その際に、レンズーリ教授は、
「日本の学校の先生方が『子どもとは多様なもので、さまざまな分野で学習スキルを身につけさせる方法もまた多様なのだ』と理解するようになってきたと私どもは思っている。」
という言葉を寄せてくださっていますが、残念ながら、そこからの30年間に日本の教育に「個別化・個性化」あるいは「すべての子どものための才能教育」に向かうような大きな動きはなく、SEMがアメリカの公立学校の普通教育で導入されたようには、日本では浸透していないのが現実です。
ですので、SEMのワークショップが、今回日本で開催されるのはとても貴重な機会と言っていいだろうと思いますし、ましてや、もともとは学校で行われる学習モデルを、家庭でも取り組めるように考えられたSEM@homeのワークショップは世界で初めてということになったと思います。
さて、前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、今回のワークショップについて、裏方をしつつ体験した感想を書きたいと思います。
今回のワークショップのメインは、
「好き」の見つけ方
「RP」の探り方
です。
知久麻衣さん作のワークシートを使い、自分のこれまでの「好き」をトレースしてみました。
そこで分かった私の好きは、どの年代でも‥
「本を読むこと」
「歌うこと」
でした。
分かってはいることでしたが、改めて、「やっぱりそうだよね〜」と思いました。
そして、その「好き」をコアに、「RP」を探す作業に入ります。
この作業には「Webbing Activity 」を使いました。
最近は、マインドマップを作ったりなど、似たような思考アクティビティを取り入れている企業や学校が増えましたよね。
その場でぱっとやってみたのはこんな感じです。
実際は、じっくり時間をかけて思いを巡らしてもいいでしょうし、親子で対話に花を咲かせながら、着想を得ていってもいいのだろうと思います。
ほかに、自分はどんな思考スタイルが好きまたは得意なのかを探るワークシートもありました。
こちら、「Renzulli Learning」の「Profiler (自己分析ツール)」を知久麻衣さんが日本語に翻訳されたものとなっていて、非常にありがたいワークシートです。(充実のボリュームです!)
今回のワークショップ、実際に手を動かすことで、自分を見つめ、自分の中にある学びのタネや、問題意識のタネを見つけることができたように思います。
SEMの具体的な手順がイメージできてくると思いますし、何より、学びに一番大事なこと「子ども自身がなにを思っていて、なにをどんなふうに学びたいのか」
に気付くことができると思います。
SEM@homeのワークショップは、4月開催分が満席となっておりますが、5月にも開催します。
その日程が決まりました!
2021年5月
9日(日)13時〜
23日(日)13時〜
です。
申し込み開始日は、追ってお知らせします!
<引用文献>
「SEMー個性と才能をみつける総合学習モデル」(J.S.レンズーリ著、松村暢隆訳)