第2回講演会のQ&Aセッションに寄せられた質問と回答を、いくつか紹介していきたいと思います。
【低年齢でもSEM@homeはできますか?】
SEMはPreK(園児)から可能ですが、低年齢ですとやはりType1拡充体験(興味関心ごとの探索)とType2拡充体験(知識・情報のインプットやスキル磨きなどのhow-to)をメインに行うことが多くはなります。
Type3拡充体験は、一般的には7~8歳以下だと難しいかもしれません。しかし個人や環境によります。 まず、個人の能力が実年齢より高い場合は、Type3を行える可能性も高くなります。
又、すでに強い「好き」がある場合も、最後までやり切ろうというタスクコミットメントが保てやすいので、成功する可能性も高くなるだろうと思います。
(成功=やり切る、という意味)
SEMを家庭で行う場合は、柔軟で自由にできる環境で行うという前提なため、低年齢の子でもType3に挑戦しやすいです。
『学びの個性尊重プロジェクト』でも、お子さんが意欲的な場合は、その挑戦者のおうちファシリテーターであるご家族をサポートしていこうと考えています。 レンズーリ教授らに確認してみましたが、学校で行うType3は、低年齢ですと、最終的に発表するものがやはり(プロダクトというよりは)奉仕的なサービスになりやすいとのことでした。
例えば investigate(調査)したいメイン・トピックが「コロナ」の場合、「どうしたらコロナ禍で孤独になっている町の高齢者の方々に希望を与えられるだろう?」とか、「どうしたらガジェットを使いこなせない自分のおじいちゃんおばあちゃんに、親族あげてのバースデーパーティーを、このコロナ禍で行えるだろう?」というようなテーマや課題が低年齢のType3挑戦者のRPになる傾向にあるそうです。 低年齢でType3はちょっと難しい、と思われる場合は、Type1やType2の機会をたっぷり与えてほしいなと思います。
Type3だけがSEMではなく、Type1, 2, 3がセットでSEM(正確にはETM, Enrichment Triad Model, 拡充三つ組モデル)ですから。
Type1で多種多様な体験をしたり、Type2で、例えば何かについて調べるなかで、RPになり得るオリジナルな課題が芽生えてくることもあります。
Type3を行う際、低年齢でも「プロ意識」は大事です。プロ意識については、次回お話したいと思います。
(Mai C)