ギフテッドの特性とHSC(人一倍敏感な子ども)の特性は重なるところが多いように思います。
ギフテッドとHSCは同じなのでしょうか?それとも違うものなのでしょうか?
お悩みふんわり受けとめます
「悩んでいるけど、どこに相談すればいいか分からない」
そんなお声を耳にします。
十分なお力にはなれないかもしれませんが、少しでもなにかのヒントにしていただけたら…
そんな気持ちで「質問箱」を開設しました。
みなさまから多く寄せられた質問と、参考にしていただけたらいいなという回答を載せています。
回答は、子育て経験、オルタナティブ教育経験、大学院等で得た知見、支援教育専門士としての意見などをもとにしております。また、講演会の質疑応答でみなさまからいただいた情報もシェアさせていただいております。
「質問箱」は閲覧専用となっております。質問がある方は、こちらのアンケートフォームよりお願いします。
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すべてのご質問に回答することは難しいことをご了承ください。
また、「正解」はなく、子ども一人ひとり、また、各ご家庭によって、状況は異なりますので、あくまで参考意見としてご覧いただきますよう、お願いいたします。
ギフテッドとHSCの関係については、いろいろな考え方があるようです。
ギフテッドは、心理学的または教育学的なアプローチから研究されており、HSCは心理学分野の概念だと思います。
いずれも、(今のところ)医学的な概念ではないことは共通しているかと思います。
ギフテッドの特性の一つOE(過度激動・過興奮性・超活動性)とHS(highly sensitive)は大変似通った様子を示すことが多いようです。
賛同者の方のコメントを紹介させていただきます。
【知久麻衣氏】
HSC/HSPを提唱(?)されたアーロン博士ご自身のWebサイトによりますと、アーロン博士ご自身は2004年現在「HSCは必ずしもギフテッドではない」と考えておられるようです。 なぜなら、繊細/過敏ではないギフテッドの人々をアーロン博士は幾人もご存知だからだそうです。
アーロン博士ご自身は、ギフテッドは少なくとも早熟で、創造的で、情熱分野への "のめりこみ" が凄まじいという特徴を生まれながら示すというエレン・ウィナー博士の定義がお好きだそうです。
非同期発達やOEこそがギフテッドだと唱えられているリンダ・シルバーマン博士のカンファレンスに招待されたとき、アーロン博士は、シルバーマン博士が「繊細であることはギフテッドであることと同じ」だと考えられていることに気づいた、と書かれています。
アーロン博士がhighly sensitivitiesをリサーチした当時、当然ながらOEにも目を通され、OEとアーロン博士のHSは非常に似ていることは認められています。
「もしOEを持つことがギフテッドであると考えるのであれば、HSC/HSPは間違いなくギフテッドでしょう。両者は同じコンセプトだからです。ご自身がギフテッドであるかどうかで悩まれている繊細な方は、ぜひギフテッドの定義を調べてみてください。その結果、あなた自身がHSC/HSP=ギフテッドと考えることでうまくいくのなら、私はそうすることに大賛成です。」
とWebサイトに記されています。
アーロン博士がギフテッドに言及されているご自身のwebサイトのリンクはこちら
→ https://hsperson.com/is-sensitivity-the-same-as-being-gifted/
知久麻衣(コネチカット大学大学院教育心理学学修中・SEM>教育コンサルタント)
【roboママさん】
ギフテッドとHSCは別々のものだと思います。
HSCの場合、一つの仮説ですが、脳のタイプとして、たとえばセロトニンが分泌しにくくて不安を抱きやすいといったことがあって繊細な状態にあるのに対して、ギフテッドはOEの一種として繊細な状態にあると考えられ、同じ状態でも由来が異なるのではないかと考えています。
神経伝達物質などが関係しているとしたら、HSCはあらゆる知能のタイプの人に見られる可能性があると思います。
そして、感情性OEが強くて更にHSCのギフテッドの場合は、より繊細で不安が強いといった状態になる場合があると思います。
roboママ(特性のある子どもの母・元中学校・特別支援学校教員)
「ギフテッド」の定義も明確でない(この言葉を使う人によって意味合いが異なる)うえに、HSCの概念や原因なども、まだ明確には整理されていないので、「同じかどうか」を考えることは、とても難しいことと言えるかもしれません。
どの「ラベル」が一番合っているかという発想で、個人を捉えることの「無理」もあるかと思います。
個人が持つ様々な特性の一つとして、捉えていくのがいいのだろうと考えます。
HSは、不登校や社会での生きづらさの要因に大きく関係しているように言われることも多く、それに目をつけたある種の「商法」も最近見られるようです。
なるべく学術的に担保された情報を目にし、冷静に判断していくのがよいだろうと考えます。
HSC・HSPについては、
Japan Sensitivity Research ー心理学者によるHSP情報サイト
https://www.japansensitivityresearch.com/
も参考になると思います。